■概要
【事件名】「取調べ拒否」Tシャツ着用不許可訴訟
【裁判所】大阪地裁
【原告】大阪府警淀川署に勾留されていた男性
【被告】大阪府
【請求】損害賠償150万円
【裁判段階】判決
【判決】請求棄却
■判決
大阪地裁(荒谷謙介裁判長)は2026年9月17日、勾留中に「私は取調べを拒否します」と書かれたTシャツの着用を認められなかった男性が、大阪府に150万円の損害賠償を求めた訴訟で、男性側の請求を棄却した。
大阪地裁は、Tシャツの着用によって留置施設内で私語やトラブルが生じる可能性があるとして、淀川署側の対応を妥当と判断した。
■訴訟の経緯
男性は逮捕後、大阪府警淀川署の留置施設に勾留されていた。
弁護人から「私は取調べを拒否します」と記載されたTシャツが差し入れられたが、署側は施設内での着用を認めなかった。
男性側は、Tシャツの着用によって施設の規律や秩序に支障が生じるとはいえず、署側の対応は違法だとして大阪府に損害賠償を求めた。
一方、大阪府側は、刑事収容施設法に基づき、施設の規律や秩序を維持するための適法な措置だったと主張していた。
■大阪地裁の判断
大阪地裁は、別の警察署の留置施設で同種のTシャツが差し入れられた際、これを見た複数の留置者がTシャツについて発言し、私語が発生した事例があったことを重視した。
淀川署でも、Tシャツをきっかけに私語が連鎖的に発生したり、揶揄する発言などから口論やトラブルに発展したりする可能性がなかったとはいえないと判断した。
そのうえで、規律や秩序の維持を理由に着用を認めなかった署側の判断について、「裁量権の範囲の逸脱や乱用があったとは認められない」として、男性側の請求を棄却した。
■原告側は控訴へ
男性側は判決を不服として控訴する方針。
代理人の松田真紀弁護士は、判決について、刑事司法における人権保障の観点から大きな問題を残すとの見解を示している。
■出典
- 産経新聞 2026年9月17日
- 読売新聞 2026年9月17日

