【大阪高裁】湖東記念病院事件国賠訴訟 検察の違法性認めず控訴棄却、上告へ

■概要

【事件名】湖東記念病院事件 国家賠償請求訴訟
【裁判所】大阪高裁
【裁判段階】控訴審判決

■判決

大阪高裁は2026年6月25日、湖東記念病院事件で再審無罪となった西山美香さん(46)が国と滋賀県に損害賠償を求めた国家賠償請求訴訟の控訴審で、西山さん側の控訴を棄却した。

判決は、一審に続いて検察の違法性を認めなかった。

■事件の概要

西山さんは、滋賀県東近江市の湖東記念病院で看護助手として勤務していた2003年、入院患者を人工呼吸器から外して殺害したとして逮捕・起訴された。

懲役12年の判決が確定し服役したが、その後の再審で無罪が確定した。

再審では、西山さんに軽度の知的障害があり、男性刑事が恋愛感情などを利用して虚偽の自白を誘導したと認定されている。

■国家賠償請求訴訟

西山さんは、違法な捜査や起訴によって長年にわたり自由を奪われたとして、国(検察)と滋賀県(警察)に損害賠償を求めて提訴した。

一審・大津地裁は、警察の捜査について違法性を認め、滋賀県に約3100万円の賠償を命じた。

一方で、検察の捜査や起訴については違法性を認めず、国への請求を退けた。

滋賀県は控訴せず、県への賠償命令は確定している。

■控訴審の判断

控訴審で西山さん側は、

  • 検察官は西山さんが知的障害を有する「供述弱者」であることを認識できた
  • 違法な取調べを防止する義務を怠った

などと主張した。

これに対し大阪高裁は、

  • 警察と検察は法律上一体の関係とはいえない
  • 当時、検察官が西山さんの軽度知的障害を把握することは困難だった
  • 自白は根幹部分で一貫しており、虚偽自白であると推察することはできなかった
  • 検察官の取調べも相応に慎重なものであった

などとして、検察の違法性は認められないと判断した。

■西山さんのコメント

判決後、西山さんは

「裁判所に対しては少しは違法性を認めてくれるかなと期待していたが、負けてしまって悔しい気持ちでいっぱいです」

と述べた。

また、

「終わるまではしっかり闘いたい」

として、最高裁へ上告する意向を明らかにした。

■今後の見通し

西山さん側は最高裁へ上告する方針。

検察の起訴や取調べに違法性があったかどうかについて、最高裁で争われる見通し。

■出典

MBSニュース

【速報】「検察の違法性」は認めず控訴棄却…湖東記念病院事件・再審無罪の西山美香さんの国賠訴訟 西山さん「負けてしまって悔しい」と最高裁へ上告の意向 大阪高裁 | MBSニュース | 関西の最新ニュースを分かりやすく。 (1ページ)
やり直しの裁判で無罪となった元・看護助手の女性が国に賠償を求めた裁判の控訴審で、大阪高裁は女性側の控訴を棄却しました。滋賀県東近江市の湖東記念病院で看護助手として働いていた西山美香さん(46)は、2003… (1ページ)

朝日新聞

「恋愛感情を利用し自白誘導」の無罪事件、高裁も起訴の違法性認めず:朝日新聞
滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年に患者の呼吸器を外したとする殺人罪で服役し、再審で無罪となった西山美香さん(46)が国に賠償を求めた訴訟の控訴審判決が25日、大阪高裁(長谷部幸弥裁判長)であ…
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