【大阪地裁】顧客の預金約1300万円を盗んだ元郵便局長に懲役3年・執行猶予5年 「本来は実刑でもおかしくなかった」

■概要

【事件名】高槻大蔵司郵便局元局長による顧客預金窃盗事件
【裁判所】大阪地方裁判所
【被告人】寺澤俊亮(36)・元郵便局長
【罪名】窃盗罪など
【判決日】2026年10月8日
【判決】懲役3年・執行猶予5年
【被害額】約1300万円

大阪府高槻市の高槻大蔵司郵便局で局長を務めていた寺澤俊亮被告人(36)が、80代の顧客女性のキャッシュカードを不正に使用し、預金を引き出して盗んだ罪などに問われた裁判で、大阪地裁は2026年10月8日、懲役3年・執行猶予5年の有罪判決を言い渡した

裁判所は、郵便局長としての立場や専門知識を悪用した犯行を厳しく非難した一方、被告人が真摯に反省していることなどを考慮し、刑の執行を猶予した。

■事件の概要

寺澤被告人は2025年、大阪府茨木市のATMで、顧客だった80代女性のキャッシュカードを不正に使用し、女性の口座から現金10万円を引き出して盗んだ罪などに問われた。

判決によると、寺澤被告人は郵便局長という立場を利用して顧客の預金を不正に取得しており、被害総額は約1300万円に上った。

犯行の背景には、消費者金融などから重ねた借金の返済に窮していた事情があったという。

日本郵便は2026年2月、寺澤被告人を懲戒解雇した。

■判決

2026年10月8日、大阪地裁は寺澤被告人に対し、懲役3年・執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。

裁判所は、郵便局長という立場や専門知識を悪用し、顧客の預金を自分のもののように扱った犯行について、悪質性が高いと指摘した。

また、借金の返済に窮したという犯行の経緯や動機についても、酌むべき事情はないと判断した。

一方で、寺澤被告人が真摯に反省していることなどを考慮し、直ちに刑務所に収容するのではなく、社会内で更生する機会を与える判断をした。

■量刑理由

裁判所は、犯行の悪質性を重く評価しながらも、執行猶予を付すことが相当と判断した。

不利な事情

  • 郵便局長という顧客から信頼される立場を悪用したこと
  • 業務上の専門知識を利用して預金を不正に取得したこと
  • 被害額が約1300万円と高額に上ったこと
  • 借金返済という自己都合による動機に酌むべき事情がないこと

有利な事情

  • 被告人が真摯に反省していること
  • 弁護人や家族による更生に向けた支援があること

裁判所は、犯行自体は実刑判決も十分考えられる悪質なものと評価しつつ、反省の態度や更生に向けた事情を踏まえ、執行猶予付きの判決を選択した。

なお、日本郵便が被害女性への補償方針を示しているものの、報道からは、判決時点で補償が完了していたか、裁判所が補償を量刑上どのように評価したかまでは確認できない。

■判決後の説諭

判決を言い渡した裁判官は、寺澤被告人に対し、犯行の悪質さからすれば本来は実刑判決となっていてもおかしくなかったと述べた。

そのうえで、弁護人や家族が尽力してくれたことに触れ、今回与えられた機会を無駄にせず、今後きちんと生活していくよう説諭した。

これに対し、寺澤被告人は「はい」と答えた。

■日本郵便の対応

日本郵便によると、被害額は約1300万円に上る。

同社は2026年2月に寺澤被告人を懲戒解雇しており、被害女性への補償を進めるとともに、再発防止に全力で取り組むとしている。

■出典

関西テレビ「newsランナー」2026年10月8日

「経緯や動機に酌むべきものはない」 80代の顧客女性のキャッシュカード悪用し1300万円盗んなどの罪で元郵便局長に執行猶予付き有罪判決 口座から現金引き出し盗む 被害総額は約1300万円に
顧客の口座から現金10万円を引き出した罪などに問われている元郵便局長の男に、執行猶予のついた有罪判決が言い渡されました。高槻大蔵司郵便局の郵便局長だった寺澤俊亮被告(36)は、去年、茨木市のATMで顧客の女性(80代)のキャッシュカードを不…
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