■概要
【事件名】再審請求中の死刑執行をめぐる国家賠償請求訴訟
【裁判所】大阪高等裁判所
【判決日】2026年5月13日
本件は、再審請求手続き中に死刑が執行されたことが憲法違反であり弁護権を侵害したとして、元死刑囚の弁護人らが国に損害賠償を求めた控訴審である。
■事案の経緯
原告となったのは、強盗殺人罪などで死刑が確定していた元死刑囚(岡本〈旧姓・河村〉啓三元死刑囚)の弁護人3人。
同元死刑囚は2004年に死刑が確定し、第4次再審請求中であった2018年12月に死刑が執行された。
■請求内容
原告側は、
・再審請求中の死刑執行は「裁判を受ける権利」(憲法32条)に違反
・弁護権の侵害
・違法な国家行為である
として、国に損害賠償を求めて提訴していた。
■一審判決(大阪地裁)
大阪地方裁判所 は2025年5月、請求を棄却した。
判決では、憲法32条の「裁判」とは通常の刑事裁判を指すものであり、再審請求は含まれないと判断。
また、再審請求中に執行停止を認めれば、死刑執行制度そのものが機能しなくなるとした。
■大阪高裁の判断
2026年5月13日、大阪高等裁判所 は一審判決を支持し、原告側の控訴を棄却した。
一方で判決は、再審開始の見込みがある場合などに死刑執行が行われれば、実質的に再審を受ける権利の侵害となり「違法となる余地がある」とも言及した。
しかし、本件については再審請求が同一理由で繰り返されていたことなどを踏まえ、違法性は認められないと結論付けた。
■総合整理(大阪高裁)
本件は、再審請求と死刑執行の関係性、憲法上の権利保障の範囲が争点となった国家賠償請求訴訟である。
大阪高裁は、制度としての死刑執行の運用を維持しつつも、一定の条件下では違法となる可能性に言及した点が特徴的な判断となった。
■出典
・報道機関

「再審請求中の死刑執行は違憲」の訴え、二審も認めず 大阪高裁:朝日新聞
再審を開くよう求める「再審請求」の手続き中に死刑が執行され、弁護権を侵害されたなどとして、元死刑囚の弁護士3人が国に賠償を求めた裁判の控訴審で、大阪高裁(谷口安史裁判長)は13日、原告側の訴えを棄却…

「再審請求中の死刑執行は不当」弁護士が国を訴えた裁判 控訴審でも訴え棄却 大阪高裁「職務上の義務を導くことは困難」 一方で「違法となる余地」も示す | MBSニュース | 関西の最新ニュースを分かりやすく。 (1ページ)
裁判のやり直しを求めている死刑囚に死刑が執行されたのは不当だと弁護人が国を訴えた裁判。控訴審も訴えは退けられました。会社社長らへの強盗殺人などの罪で2004年に死刑が確定した岡本啓三元死刑囚(当時60)は… (1ページ)

再審請求中に死刑執行、損害賠償請求を認めず…大阪高裁「確定判決の事実認定に疑いを生じさせるようなものはなかった」
【読売新聞】再審請求中に死刑を執行され、弁護権を侵害されたなどとして、元死刑囚の弁護人だった3人が国に計1650万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が13日、大阪高裁であった。谷口安史裁判長は請求を退けた1審・大阪地裁判決を支持し


