■概要
全国で相次いだ「ルフィ」を名乗る指示役による強盗事件のうち、京都市内の時計店で高級腕時計を奪った強盗事件などで、強盗罪などに問われた被告人に対し、大阪地裁は2023年9月1日、懲役12年(求刑懲役15年)の判決を言い渡した。
被告人は、指示役とされる「ルフィ」と連絡を取りながら実行役を集め、指示を伝達する立場だったと認定された。
■判決
大阪地裁は、被告人が京都市の時計店強盗事件や大津市の質店への侵入未遂事件において重要な役割を果たしたと判断し、懲役12年を言い渡した。
検察側は、被告人がSNSで実行役を募集し、「ルフィ」から受けた指示を実行役へ伝達するなど、犯行に不可欠な主導的役割を担っていたと主張していた。
■事件の内容
起訴内容によると、被告人は2022年5月、共犯者らとともに京都市中京区の腕時計買い取り店を襲撃し、高級腕時計41点(約6,900万円相当)を奪ったとされた。
また同年3月には、大津市内の質店に侵入しようとした建造物侵入未遂事件にも関与したとされた。
さらに、大阪市内で男性2人を襲って現金を奪おうとした逮捕監禁致傷事件や、パチンコ店の売上金を狙った強盗致傷事件についても起訴された。
■検察側の主張
検察側は、被告人が「ルフィ」との連絡役を務め、SNSで実行役を募集するなど組織の中核的役割を担ったと主張した。
また、大津市の事件で「ルフィ」と関わった後、自らも犯罪を主導するようになり、犯罪傾向が深まったと指摘。「実行役、指示役、首謀者へと立場を変化させながら犯行を重ね、社会に大きな不安と恐怖を与えた」と訴えた。
■弁護側の主張
弁護側は、京都市および大津市の事件について、「ルフィ」から『店側と話がついており警察には捕まらない』と説明され、だまされて関与した面があったと主張した。
また、逮捕監禁致傷事件については暴行の指示を否認し、強盗致傷事件については共謀を否認して無罪を主張した。
■関連する初公判
2023年8月21日の初公判で、被告人は京都市と大津市の事件について起訴事実を認めたうえで、「(指示役の)ルフィという者に従った」と述べていた。
弁護側は当時から、被告人は組織内で従属的立場にあり、「ルフィにだまされた」と主張していた。
■今後の焦点
「ルフィ」を名乗り指示を出したとされる今村磨人被告についても、京都市の時計店強盗事件を指示したとして起訴されている。
一連の広域強盗事件では、実行役だけでなく指示役や統括役の責任がどのように認定されるかが重要な争点となっている。
■出典
- 朝日新聞(2023年9月1日)「ルフィ」の指示、現場に伝えた男に懲役12年判決 京都時計店強盗報道

- 読売新聞(2023年8月21日)
- 「闇バイト強盗『ルフィという者に従った』…関西の事件の被告、起訴事実認める」

■判例
- 令和4(わ)959 公務執行妨害、傷害、建造物侵入未遂、営利略取未遂、営利略取、逮捕監禁致傷、強盗致傷、強盗被告事件
- 令和5年9月1日 大阪地方裁判所 第13刑事部
■関連する
- 「ルフィ」と出会い犯罪の道へ 懲役12年「ゾロ」の転落人生(2023年9月10日)
- 「闇バイト」で募り誘拐か 指示役の29歳男ら逮捕(2022年6月23日)

