■概要
【裁判所】大阪地方裁判所
【判決日】2026年3月13日
交際相手の1歳男児に暴行を加えたとして暴行罪に問われた被告(27)に対し、大阪地方裁判所 は無罪(求刑・罰金10万円)を言い渡した。
裁判所は「自白の信用性には疑問が残る」と判断した。
■事件の経緯
被告は2024年10月、大阪市平野区のマンションで、交際相手の息子(当時1歳)の腹部を押して突き飛ばしたとされる。
男児はその後、腹腔内出血により死亡したとして、当初は傷害致死容疑で捜査・逮捕されていた。
その後、大阪地検は2025年6月に起訴事実の変更を行い、暴行罪として起訴した。
■取り調べの状況
判決によると、被告は男児死亡の翌日、約5時間半にわたり警察署で単独の取り調べを受け、その過程で暴行を認める自白調書が作成された。
しかし、
- 取り調べの録音・録画が行われていない
- 補助者も同席していない
- 客観的な検証手段がない
といった問題点が指摘された。
■裁判所の判断
大阪地方裁判所 は、
「2人のやり取りが客観的に確認できず、自白調書の内容が歪められた可能性を否定できない」
として、自白の信用性を否定。
暴行事実についても合理的な疑いが残るとし、無罪と判断した。
■制度的論点
判決では、取り調べの可視化(録音録画)についても言及され、裁判員裁判対象事件では捜査段階からの適正化が重要であることが示唆された。
刑事訴訟法上の録音録画義務との関係も踏まえ、捜査手法の在り方が問われる内容となった。
■総合整理
本件は、乳幼児への暴行疑惑をめぐる事件であると同時に、
- 自白調書の信用性
- 取り調べの可視化の不備
- 捜査手続の適正性
が争点となった事案である。
裁判所は、物的証拠ではなく供述証拠の信用性に疑問を残すとして無罪とした。
■出典
・読売新聞(2026年3月14日)

取り調べの様子が録音録画されず「自白の信用性には疑問が残る」、1歳男児への暴行罪に問われた被告に無罪判決…大阪地裁
【読売新聞】交際相手の息子(当時1歳)の腹部を手で押して突き飛ばしたとして、暴行罪に問われた被告(27)の判決が13日、大阪地裁であった。大森直子裁判長は「自白の信用性には疑問が残る」として、無罪(求刑・罰金10万円)を言い渡した。

録音録画ない自白「信用できず」 1歳児死亡、母の交際相手に無罪:朝日新聞
交際女性の1歳6カ月の息子に対する暴行罪に問われた長谷川廉斗(れんと)被告(27)の判決で、大阪地裁(大森直子裁判長)は13日、無罪(求刑罰金10万円)を言い渡した。「唯一の証拠というべき自白に十分…
■判例
- 令和6(わ)4764 傷害致死(変更後の訴因 暴行)
- 令和8年3月13日 大阪地方裁判所 第14刑事部
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