【大阪高裁】死刑当日告知の是非 「不適法」判断取り消し差し戻し

■概要

【裁判所】大阪高等裁判所
【判決日】2026年3月17日

死刑執行の当日告知は憲法違反だとして、死刑囚2人が国に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審で、大阪高等裁判所 は、一審の「不適法」とした判断を取り消し、大阪地裁に差し戻した。

一方で、損害賠償請求自体は退けた。


■訴えの内容

原告の死刑囚2人は、

  • 執行当日まで告知しない運用は憲法違反
  • 当日告知に従う義務がないことの確認
  • 国に対する損害賠償

を求めて提訴していた。


■一審判決

一審の大阪地方裁判所 は、

「確定判決の変更を求めるもので不適法」

として訴えそのものを却下していた。


■高裁の判断

大阪高等裁判所 はこれを覆し、

  • 死刑囚には執行当日告知による不安・危険が現実に存在する
  • 告知方法の適法性は司法審査の対象になり得る

などとして、訴え自体は適法と判断した。

その上で、実体判断のためには改めて審理が必要だとして差し戻しを決定した。


■制度背景

刑事訴訟法では、死刑は判決確定から6カ月以内に法相命令で執行されるとされるが、告知方法について明文規定はない。

現在は運用として、執行の1〜2時間前に拘置所長が告知する形が取られている。


■反応

原告側弁護団は「ようやくスタートラインに立てた」と評価した一方、国側は判決内容を精査するとしている。


■総合整理

本件は、死刑執行手続のうち「告知の時期」という運用の適法性が初めて本格的に争点となった事案であり、高裁は訴訟の門前払いを否定し、実体審理へと進める判断を示した。


■出典

・日本経済新聞(2025年3月17日)

死刑当日告知、高裁が審理差し戻し 一審は訴え「不適法」 – 日本経済新聞
死刑囚に刑の執行当日まで告知をしないのは憲法違反だとして、死刑囚2人が国に損害賠償と当日告知の執行に従う義務がないことの確認を求めた訴訟の控訴審判決が17日、大阪高裁であった。黒野功久裁判長(古田孝夫裁判長代読)は訴えを「不適法」とした一審…

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