■概要
【事件名】関西生コン支部ストライキ恐喝事件
【裁判所】大阪高等裁判所
【裁判長】飯島健太郎
【被告人】武建一(84)・前執行委員長、湯川裕司(53)・現委員長
【罪名】恐喝罪など
【一審判決】京都地裁・無罪(2025年2月)
【控訴審判決】2026年10月5日
【判決】検察官控訴棄却(一審無罪判決を支持)
生コンクリート製造会社の協同組合から、ストライキによって解決金1億5000万円を脅し取ったなどとして恐喝罪などに問われた、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部の幹部2人について、2026年10月5日、大阪高裁は一審の無罪判決を支持し、検察官の控訴を棄却した。
飯島健太郎裁判長は、ストライキで実力行使による出荷阻止や威圧的な言動があったとは認められないとした一審の判断を正当と評価した。
■事件の概要
2013~2014年、関西地区生コン支部の労働組合員7人が在籍していた会社の解散をめぐり、同支部が解決金の支払いを求めた。
検察側は、武建一被告人と湯川裕司被告人らが、ストライキによって生コンクリートの出荷を阻止するなどして協同組合側を怖がらせ、解決金として1億5000万円を脅し取ったと主張した。
これに対し、弁護側は恐喝罪の成立を争い、無罪を主張していた。
■一審判決
2025年2月、京都地裁は被告人2人に無罪を言い渡した。
一審は、問題とされたストライキについて、多人数による実力行使で生コンクリートの出荷を阻止したり、威圧的な言動を行ったりしたとは認められないと判断した。
そのため、検察側が主張する恐喝行為は認定できないとした。
検察官は、一審判決の事実認定に誤りがあるとして控訴した。
■控訴審判決
2026年10月5日、大阪高裁は検察官の控訴を棄却し、一審の無罪判決を支持した。
ストライキによる威圧行為を認めず
飯島裁判長は、問題とされたストライキについて、実力行使による出荷阻止や威圧的な言動があったとは認められないとした一審の判断を踏襲した。
その上で、被告人らの行為は恐喝には当たらないと判断した。
検察側の事実誤認の主張を退ける
検察側は、一審がストライキの実態を誤って認定したと主張していた。
しかし大阪高裁は、一審の判断は正当であり、不合理ではないとして、検察側の主張を退けた。
これにより、被告人2人に対する無罪判決が維持された。
■判決のポイント
今回の控訴審では、労働組合によるストライキが恐喝に当たるかという問題に加え、一審の事実認定に誤りがあったかが争われた。
検察側は、ストライキによって協同組合側を威圧し、解決金を支払わせたと主張した。
しかし、一審・控訴審ともに、検察側が主張する実力行使や威圧的な言動を認定できないと判断した。
労働組合によるストライキであっても、その具体的な態様によっては刑事責任が問題となり得る。
一方、解決金を要求したことやストライキを実施したことだけで、直ちに恐喝罪が成立するわけではない。
今回の判決は、実際にどのような行為が行われたのかという事実認定を重視し、恐喝罪の成立を否定したものとなった。
また、控訴審は一審の判断を単に追認したのではなく、検察側が指摘する事実認定の誤りについて検討した上で、一審の判断に不合理な点はないと結論づけた。
■今後の裁判
大阪高裁が検察官控訴を棄却したことで、被告人2人に対する無罪判決は二審でも維持された。
検察側が上告するかどうかは、提供された記事では明らかになっていない。
上告されなければ、無罪判決が確定する。
■出典
- 共同通信 2026年10月5日

- 産経新聞 2026年10月5日
■その後の報道
- 関西生コン幹部ら2人無罪確定へ ストライキ恐喝事件、大阪高検が上告断念(2026年10月19日)


