■概要
【事件名】妻に対する傷害致死・死体遺棄事件
【裁判所】大阪地裁
【裁判長】辛島明
【被告人】黒木佳史(36)
【罪名】傷害致死、死体遺棄、公務執行妨害など
【裁判段階】論告求刑・結審
【求刑】傷害致死・死体遺棄について懲役12年、公務執行妨害について懲役10月
■論告求刑
大阪地裁(辛島明裁判長)で2026年9月29日、妻に対する傷害致死や死体遺棄などの罪に問われている黒木佳史被告(36)の裁判員裁判が開かれ、検察側は傷害致死と死体遺棄について懲役12年を求刑した。
別に起訴されている公務執行妨害については懲役10月を求刑した。
弁護側は、妻を暴行によって死亡させたことなどは立証されていないとして無罪を主張。裁判は結審し、判決は10月20日に言い渡される予定。
■事件の概要
起訴状などによると、黒木被告は2024年5月、大阪市中央区の自宅で妻のいずみさん(当時52)に暴行を加えて死亡させたとされている。
その後、知人男性と共謀して遺体を車で運び出し、岡山県周辺で遺棄したとして起訴された。
いずみさんの遺体は現在も発見されていない。
■被告人は初公判から黙秘
黒木被告は裁判員裁判の初公判で、裁判長による人定質問に答えず、起訴内容についても黙秘。その後の公判でも黙秘を続けた。
弁護側は傷害致死と死体遺棄について罪の成立を争い、無罪を主張している。
■検察側が示した間接証拠
遺体が発見されていない中、検察側は複数の間接証拠や関係者の供述を積み重ねて、いずみさんの死亡と黒木被告の関与を立証しようとした。
検察側は、黒木被告が知人に「妻が動かない、自首する」と電話していたと主張。また、黒木被告の自宅では清掃後にも複数箇所からいずみさんの血痕が検出されたと指摘した。
さらに、遺体の運搬などに関与したとされ、その後死亡した知人男性が、周囲に遺体を処理して捨てたとの趣旨の話をしていたことを挙げた。
この男性の自宅からはいずみさんと同じDNA型の毛髪が見つかり、遺体を処理したとされる場所からも人骨や、いずみさんとの関連が疑われる装飾品などが発見されたとしている。
■検察側「はなはだしく悪質」
検察側は論告で、黒木被告の自宅に残された血痕や当時の周囲の状況などから、いずみさんに対する暴行は長時間にわたる激しく執拗なものだったと主張した。
さらに、遺体が現在も発見されていないことについて、死体を遺棄して罪証隠滅を図った「徹底した罪証隠滅」であり、「はなはだしく悪質」と指摘した。
また、黒木被告が別の傷害事件で執行猶予中に今回の犯行に及んだとして、「強い非難に値する」と主張。傷害致死と死体遺棄について懲役12年を求刑した。
■弁護側「合理的な疑いなく立証されていない」
これに対し弁護側は、黒木被告が妻を暴行して死亡させたことや、遺体を遺棄したことを直接裏付ける証拠はないと反論した。
妻の遺体そのものが発見されていないことも踏まえ、検察側の間接証拠によっても、黒木被告の犯行が合理的な疑いを差し挟む余地なく立証されたとはいえないとして、無罪を主張した。
■判決ポイント
遺体が発見されていない中、検察側が積み重ねた証拠によって、妻の死亡や黒木被告の関与、死体遺棄などが合理的な疑いを超えて立証されたと認められるかが判決の焦点となる。
■出典
- MBSニュース 2026年9月29日

- 関西テレビ 2026年9月29日

- 共同通信 2026年9月29日

■関連する報告書



