■概要
【事件名】暴力団対策法違反事件
【裁判所】大阪地裁
【判決日】2026年3月12日
【被告人】山口組傘下組織の組幹部3人(48~55歳)
【判決】無罪
■事件概要
特定抗争指定暴力団山口組傘下組織の組幹部3人が、暴力団対策法により立ち入りが禁止された事務所へ出入りしたとして同法違反に問われた事件で、大阪地裁は3人に無罪判決を言い渡した。
3人は2024年、大阪府公安委員会が警戒区域に指定した大阪市中央区内のマンション一室を組事務所として利用し、立ち入ったとして逮捕・起訴されていた。
■争点
公判では、マンションの一室が暴力団組織の「活動拠点」や「組事務所」に当たるかが争点となった。
検察側は、組員ら15人が約2か月間で延べ217回出入りしていたことなどから、暴力団の活動拠点だったと主張した。
■判決
堀河民与裁判官は、検察側の主張について慎重に検討したうえで、組事務所であることには合理的な疑いが残ると判断した。
判決では、217回の出入りの中には部屋の居住者による出入りも含まれていたことを指摘した。
また、組員らが5人以上集まらないよう注意していたことや、幹部の出入りが少なかったことなどから、暴力団の活動拠点と断定するには不十分とした。
■押収品の評価
家宅捜索では、他の組事務所への季節のあいさつ状や防弾チョッキなどが押収されていた。
しかし裁判所は、あいさつ状の作成は平組員でも可能な作業であり、防弾チョッキなども一時的な保管場所だった可能性を否定できないと指摘した。
そのうえで、マンション一室が暴力団事務所であったと認定するには合理的疑いが残るとして、3人に無罪を言い渡した。
■関連する裁判
大阪地裁では2025年12月、山口組直系「兼一会」の会長らが組員であることを隠してマンションを賃借したとして詐欺罪に問われた事件でも無罪判決が言い渡されている。
この判決では、検察側が主張した「隠れ事務所」としての利用目的について、「賭けマージャンの場として借りた」とする供述を排斥できないとして、犯罪の証明がないと判断された。
■出典
- 朝日新聞

- 読売新聞

- 産経新聞
■判例
- 令和6(わ)4988 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律違反裁判年月日
- 令和8年3月12日 大阪地方裁判所 第5刑事部

