■判決
大阪地裁は2026年7月29日、家宅捜索中に捜査対象者へ暴行を加えたとして、特別公務員暴行陵虐罪に問われた大阪府警捜査4課の元巡査部長・人見寛大被告(36)に、**拘禁刑1年、執行猶予3年(求刑・拘禁刑1年)**を言い渡した。
荒木未佳裁判長は、「捜査に名を借りた暴力ともいうべき行為が許容されないことは、警察官であれば誰しも理解しているはず」と指摘した。
■事件の概要
判決によると、人見被告は2025年7月15日から16日にかけて、国内最大級のスカウトグループ「ナチュラル」の関係先とされる大阪市西区のビルを家宅捜索した際、捜査対象の20代男性のスマートフォンを差し押さえた。
顔認証によるセキュリティーロックを解除するため、男性の顔をスマートフォンで複数回たたくなどの暴行を加えたと認定された。
■裁判の争点
人見被告は、顔認証によるロック解除を行うため身体検査令状を執行しただけであり、「暴行の意思はなかった」として起訴内容を否認した。
これに対し大阪地裁は、現場のカメラ映像や同席していた捜査員の証言などから暴行の故意を認定し、弁護側の主張を退けた。
■判決理由
大阪地裁は、「捜査目的から見ておよそ必要のない行為だった」と指摘。
さらに、「捜査に名を借りた暴力というべき行為が許されないことは捜査の基本であり、刑事責任は軽視できない」と非難した。
一方で、人見被告が法廷で反省の意を示していることなどを考慮し、執行猶予付き判決とした。
■事件の経緯
この暴行事件では、大阪府警捜査4課の元警察官6人が特別公務員暴行陵虐罪で起訴されており、人見被告を含む5人に執行猶予付きの有罪判決が言い渡されている。
大阪府警は、この事件に関して計12人を懲戒処分とし、人見被告は停職6か月の懲戒処分を受けた後、2026年3月に依願退職している。
■関連報告書
- 【大阪地裁】元大阪府警巡査長による暴行事件 検察側が拘禁刑1年を求刑(論告弁論)

- 【大阪地裁】家宅捜索中に男性を暴行した罪で起訴の元大阪府警捜査4課員 「スマホが当たった」と否認(被告人質問)

■出典
・産経新聞「『スマホのロック解除のため』家宅捜索中に暴行、大阪府警の元巡査部長に有罪判決」(2026年7月29日)
・朝日新聞「家宅捜索中に暴行、元巡査部長に有罪判決『捜査に名を借りた暴力』」(2026年7月29日)

・MBSニュース「“捜査対象の男性を暴行”大阪府警の元警察官(36)に拘禁刑1年・執行猶予3年の判決」(2026年7月29日)


