【大阪地裁】万博工事費水増しの背任事件 竹中工務店の元総括作業所長が初公判で起訴事実認める

■概要

【事件名】大阪・関西万博工事費水増し請求事件
【裁判所】大阪地方裁判所
【裁判官】加藤陽
【被告人】河井辰巳(61)・竹中工務店元総括作業所長
【罪名】背任
【事件発生】2025年2月・5月
【被害企業】竹中工務店
【初公判】2026年10月29日
【認否】起訴事実を認める

大阪・関西万博の建設工事費を水増し請求させ、勤務先の竹中工務店に損害を与えたとして背任罪に問われた元総括作業所長、河井辰巳被告人(61)の初公判が、2026年10月29日、大阪地裁(加藤陽裁判官)で開かれた。

河井被告人は、下請け業者と共謀して工事費を水増し請求させ、会社に約1363万円の損害を与えたとする起訴事実を認めた。

検察側は、河井被告人が自宅のリフォームや妻が経営するカフェの改修費用を会社に負担させる目的で、不正な請求を指示したと主張した。

■事件の概要

起訴状などによると、河井被告人は竹中工務店で大阪・関西万博の建設工事を統括する総括作業所長を務めていた。

竹中工務店は、万博会場のシンボルである「大屋根リング」の一部工区などの建設工事を担当していた。

河井被告人は奈良県の下請け会社の代表取締役と共謀し、実際の工事代金に自身の利得分を上乗せして竹中工務店に請求させたとされる。

不正な請求は2025年2月と5月の2回にわたり、竹中工務店に計約1967万円の損害を与えたとして、2度にわたり起訴されている。

■初公判

2026年10月29日、大阪地裁で初公判が開かれた。

この日は、仮設事務所の内装工事に関する水増し請求によって、竹中工務店に約1363万円の損害を与えたとする、1度目の起訴内容について審理が行われた。

罪状認否

加藤陽裁判官から起訴内容に間違いがないか問われた河井被告人は、「いいえ、ございません」と答え、起訴事実を認めた。

検察側の冒頭陳述

検察側は、河井被告人が自宅のリフォーム代金や妻が経営するカフェの改修費用などを、竹中工務店に肩代わりさせようと考えたと主張した。

そのため、下請け業者に対して万博関連工事の費用を水増し請求するよう指示したと説明した。

本来、河井被告人が個人的に負担すべき改修費用を、勤務先の工事費に上乗せすることで、会社に支払わせたとする内容だった。

証拠調べ

検察側は証拠調べで、河井被告人の捜査段階の供述調書を提出した。

調書には、河井被告人が総括作業所長として最高決定者の立場にあったことを利用し、その権限を悪用したと認める趣旨の供述が記されていたという。

検察側は、河井被告人が工事現場を統括する立場を利用して、不正な請求を行わせたと主張した。

■水増し請求による損害

河井被告人は、2件の背任事件で起訴されている。

仮設事務所の内装工事

2025年2月と5月の万博関連工事をめぐる水増し請求のうち、2026年10月29日の初公判では、仮設事務所の内装工事に関する事件が審理された。

竹中工務店に与えたとされる損害は約1363万円で、河井被告人は起訴事実を認めた。

大屋根リングの転落防止対策工事

河井被告人は、万博会場の大屋根リングに関する転落防止対策工事でも、費用を水増し請求させ、竹中工務店に約600万円の損害を与えたとして、2026年10月28日付で起訴されている。

2件の起訴による損害額は、合わせて約1967万円に上る。

なお、10月29日の初公判で審理されたのは、約1363万円の損害を与えたとする1度目の起訴内容であり、追加起訴された事件とは区別される。

■不正に得た資金の使途

大阪府警によると、河井被告人は自宅や所有するマンション、親族が経営する飲食店などのリフォームに、計6000万円以上を費やしていたという。

捜査関係者によると、水増し請求によって不正に得た資金は、自宅のリフォーム代金などに充てられていたとみられている。

今回の公判では、検察側が妻の経営するカフェの改修費用などを竹中工務店に肩代わりさせる目的だったと主張した。

ただし、報じられたリフォーム費用の総額6000万円以上が、すべて今回の起訴対象となった背任行為によって得られた資金で賄われたと確認されたわけではない。

■竹中工務店の対応

竹中工務店は、河井被告人による不正について社内で事実確認を進めていた。

同社は、逮捕された事案を含めて会社として事実確認ができたとして、2026年9月11日付で河井被告人を懲戒解雇した。

■今後の裁判

河井被告人は、今回審理された約1363万円の背任事件について起訴事実を認めた。

一方、大屋根リングの転落防止対策工事をめぐる約600万円の背任事件についても追加起訴されている。

追加起訴された事件の認否や今後の審理日程については、今回の報道では明らかにされていない。

■出典

MBSニュース 2026年10月29日

【速報】万博工事費を水増し請求し自宅のリフォーム代に…竹中工務店の元総括作業所長が初公判で起訴内容を認める | MBSニュース | 関西の最新ニュースを分かりやすく。 (2ページ)
大阪・関西万博の建設工事費を水増し請求した罪に問われた竹中工務店の総括作業所長だった男が初公判で起訴内容を認めました。 (2ページ)
万博工事めぐり背任罪に問われた竹中工務店・元所長 初公判で起訴内容認める 検察は被告が「権力を悪用してしまった」と述べた供述調書を証拠として提出 | MBSニュース | 関西の最新ニュースを分かりやすく。 (1ページ)
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産経新聞 2026年10月29日

万博工事巡る背任事件、竹中工務店の元現場責任者が起訴内容認める 大阪地裁で初公判
大阪・関西万博の関連工事を巡り、下請け業者に工事費を水増し請求させたとして背任罪に問われた大手ゼネコン「竹中工務店」の元現場責任者、河井辰巳被告(61)=懲戒…


読売テレビ(YTV NEWS NNN)2026年10月29日

万博の工事費を水増し請求 初公判で竹中工務店の元総括作業所長の男が起訴内容を認める 検察「自宅のリフォームや妻経営のカフェ改修工事の代金などのため」と指摘(2026年10月29日掲載)|YTV NEWS NNN
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